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私たちが思う”ヴィンテージ”。

  • thebrisk
  • 10月4日
  • 読了時間: 5分

改めまして先日はVermeerist BEAMSさんでの素敵なイベントに足をお運び頂き誠にありがとうございました。

BEAMSさんのお洋服愛にも触れられ私たちも心豊かになった日々でございました。

このイベント期間中に普段ヴィンテージにあまり触れる機会がない方々とお話しをするきっかけがあり、今一度私たちが考える”ヴィンテージ”についてブログへ綴りたいと思いました。


初めてご来店いただいたお客様にヴィンテージショップのイメージを聞くと、知識がないといけないのではないか、敷居が高くて気軽には入りにくい、デザインが古臭そう、状態に対する懸念など様々なお声があります。またヴィンテージと古着の違いとは?という質問も多くいただきます。


まず大前提として私たちの気持ちはファッションを純粋に楽しむことが一番大事だと思っています。

知識などなくても、その洋服を先入観なく素敵だと感じ、着てみたいなと思えるものを日々取り入れることが心の豊かさに繋がると考えています。

ファッションの膨大なジャンル、価値観のもとで、私たちが純粋に美しいと思えるものがたまたま ”ヴィンテージ” という世界でした。

もちろん全身ヴィンテージを提案しているわけではなく、現代のファッションと組み合わせそこからご自身らしいスタイルを確立していくその楽しさを感じてもらえたらと思っています。なのでヴィンテージでも”レトロ”とは違い、現代に馴染むようなセレクトを心がけています。


昨今ヴィンテージという言葉が一人歩きしているようにも感じます。ヴィンテージと古着は今でも混同されることが多く、まずヴィンテージは大まかに30年以上経った物で時代を超えても希少価値の高いものを指すことが多いです。そして古着はそれ以外の中古衣類全般を指します。年代問わず昨年に着ていたものや、極端なことを言えば昨日着られていたものも古着として扱われます。ちなみに約100年以上経過したものはアンティークとして区別されています。


当店が約100年前から1990年代辺りのヴィンテージクローズに重きを置いているのは、大量生産が本格的に始まる前までに留めているところです。

やはりその時代のものは丁寧な縫製、品質の高い素材で作られているものが多く、デザイン性にも富んでおり、シンプルに私たちが美しいと感じるファッションがこの時代に詰まっていました。

そして当時は一着を丁寧に長く着続けるヨーロッパのファッション文化にも魅力を感じており、コンディションはなるべく綺麗なものを買い付けるようにしています。


もちろんこれはあくまで当店のこだわりの部分であり、そもそも”ヴィンテージ”に明確な定義はないので2000年以降のものが後にヴィンテージになるとして、幅広いコンセプトのもとでたくさんのヴィンテージショップがこの世に展開されています。


また当店はデザイナーズのものでも、本国で生産されたもの、ブランド創設者がデザインしたものを中心にセレクトしており、例えばイヴ・サンローランであれば当本人が手がけたもののみをセレクトしています。



それは先ほどにもありますが高品質で丁寧に作られたものが多いこと、そしてデザイナーがきちんと”デザイン”しているところに魅力があると思っています。

その服からデザイナーの遊び心が感じられ、どのようなストーリーのもとでこの洋服が生まれたのかとロマンを掻き立てられます。

当時は豊かな時代ということもあり、生地から、ボタンなどのパーツ一つ一つにしてもディティールに富んでいて、惚れ惚れさせられるものが多いです。


このような本国で生産されたものはやはり現地で買い付けないことには始まりません。

ヨーロッパに住んでる専属バイヤーが日々ハンドピックして状態も丁寧に確認し、膨大な服の中からようやく一着を買い付けることができます。



-ヨーロッパでの買い付け風景-




そしてヴィンテージを語る上で外せないのが、日本の1980年代バブル期においての”ライセンスビジネス”の存在です。

ライセンスとはブランドの権利を別の企業に与え、その企業はブランドの名前を借りて商品を製造、販売することができます。

つまりこの時代は本国で製造されていないものが多く出回ることになります。

バブル経済に伴いブランドのロゴが入った商品はステータスの象徴として多くの人々に求められました。

ブランドの認知度を高める上では大きな役割を果たしましたが、ブランドイメージにはそぐわない安価な商品が出回り、その結果本家ブランドの評価が低くなってしまい後にライセンス契約が相次いで終了していくことになります。


こういったビジネス的背景もあり、私たちはなるべく本家でデザインされたオリジナルのものをお届けしています。

基本的に生産されていないものを買い付けているので、いつかは私たちの思う”ヴィンテージ”はなくなっていくかと思いますが、引き続きヨーロッパでのご縁を大切にし皆様にファッションの楽しさを感じてもらえたら嬉しく思います。


珍しく長文になってしまいました。

ここまで読んでくださった皆様本当にありがとうございます。

拙い文章ですが少しでも当店のコンセプトが伝われば嬉しく思います。


皆様が最近心動かされたお洋服についても是非店頭でお聞かせください。




THE BRISK Daikanyama.


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